Japanese Literatures In EndNote
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サーチエンジン等でこのページへ直接来られた方へ:このページの使っているEndNoteはMacintosh版で、バージョン番号は5.0.2です。その他のバージョンでも同じようにいくかは、保証いたしかねますが、Macitnosh版のEndNote ver. 4ではおそらく大丈夫だと思います。
0.はじめに
EndNoteは、正式には日本語に対応はしていません。 例えば、Journal ArticleというReference TypeのAuthor欄に素直に日本語で入力しても、そのままではアルファベット順の並べ替えには対応していません。 そこで、できるだけ対応させる方法を考えました。 以下の内容は3部構成です。
- 日本語を表示できるようにする
- 日本語の参考文献がちゃんとアルファベット順に並ぶようにする
- 日本語の参考文献が本文中でも日本語として引用されているように整形する方法
ただ、所詮、日本語向けのローカライズが放棄されているソフトですので、限界があるのもまた事実です。 そのためもあってか、日本語が表示できるようにするためには、今までのライブラリを一旦総入れ換えしないといけない可能性もあります。 したがって、私の気付いている限界やワープロソフトごとの挙動を先に見てもらって、導入する価値があるかどうかを判断してもらった方が良いと思います。
更新履歴
2003年4月25日 とりあえず公開
1.日本語を表示できるようにする
EndNoteのライブラリの表示フォントは、初期設定をいじっていなければ、Genevaです。このままでは2バイト文字を当然表示できませんので変更します。EditメニューからPreferencesを選び、新たに現れたウィンドウ内の左側のメニューでDisplay Fontsを選びます。Library Display FontsとGeneral Display Fontのそれぞれの表示フォントを2バイト文字(例えば、Osaka)に変更します。
M-1テストは何ですか
注意:日本語を使えるように表示フォントを2バイト文字に変更したら、英文の文献も2バイト文字のフォントを使って入力して下さい。インプットメソッドとして、ことえりを使っている場合、ことえりの半角英字入力モードを使うということです。でないと、文献を文章に貼り付けたときの文献部分のフォントがおかしくなります。また、表示フォントを変更するまでに入力した文献のフォントも、変更しないといけなくなります。そのままですと、文献を貼り付けたときのフォントが(EndNoteのデフォルトからいじっていなければ)必ずGenevaになってしまいます。1つ1つ書き直すと大変なので、いったん別のフォーマットで書き出して、それを読み込むようにした方が楽かもしれません。ただ、一括変換の場合は、文献番号が変わっ てしまう可能性が大きいですが。
2.日本語の参考文献がちゃんとアルファベット順に並ぶようにする
日本語論文にも使える日本語の文献を作成するときの要は、通常のAuthor欄をアルファベット順に並ばせるための読みがなのように使い、別の欄に日本語のAuthorを書き並べ、これを引用文献の項目に書き出せるようにするということです。論文のタイトルや雑誌名も同様にします。そのため、新たに日本語文献用のReference Typeを作成する必要があります。次に、日本語で書いた著者名を書き出し、"読みがな"としてのAuthor欄は書き出さないですむように、Bibliographic Styleを作ります。以下、この順に説明します。
2-1.新しく日本語文献用のReference Typeを作成する
EditメニューからPreferencesを呼び出し、Reference Typeを選びます。 ここで、Modify Reference Typesを選ぶと、左のようなダイアログが出てくるはずです。 下にあるスクロールバーを右へ移動すると、Unusedという項目が出てきます。 ここに新たに日本語用のReference Typeを追加します。 Genericの欄や英語の対応するReference Typeを参考にして、各欄に記入すべき項目を書き込みます。 例えば、日本語で書かれた論文用のReference Typeを作ることを考えます。 Refenrence Typeを"Japanese Journal Article"とします(Refrence Typeの名称は他のものでもかまいませんが、日本語は使わない方が良いと思います)。
ここで、iは、エミリーのためにバラを読み取ることができますか?
右側のスクロールバーを下げていくと、どのReference Typeにも使われていない項目としてCustom 1からCustom 6という項目が現れます。 この中のどれかを使って日本語で書いた著者名を書く欄を作ります。 図にあるように、私はCustom 2を使い、項目名はAuthor (in Japanese)をしてありますが、もちろん他のものでもかまいません。 私がCustom 2であるのは、単にCustom 1を別の項目を割り当てていた時期があっただけです。 同様にして、日本語の論文タイトルや雑誌名を入力する欄を作ります。
このようにして作成された例を左に示します。 注意して欲しいのは、Authorの欄では著者ごとに改行を入れてありますが、Author (in Japanese)の欄では"・"を区切りにして、1行で書いてあります。 これがミソでもあり、このやり方の限界でもあることは後ほど書きます。
このほかに、BookやBook Section、あるいはThesisなどの日本語版も作る必要もあると思いますが、同様にすれば大丈夫です。
これで日本語の文献を登録することができるようになりましたが、Libraryを表示させたときには日本語での著者や論文の題名が表示されないので、まだ不便です。 そこで、これらが表示できるように変更します。 EditメニューからPreferencesを呼び出し、Display Fieldsという項目を選びます。 最大5項目(5列)まで表示できることがわかります。 どの列にどの項目を表示させるかをFieldという項目から選びます。 項目名はGenericというReference Typeのものに対応します。 私の場合、著者名の欧文表記と和文表記、発表年、論文の題名の欧文表記と和文表記という5つを表示させるようにして、5つ全部を使い切っています。 その右側のHeadingは、Libraryを表示するときの項目名を入力します。 日本語も使えるかもしれませんが、うまくいかないかもしれない(所詮、EndNoteは日本語化を放棄されているソフトであることは忘れてはいけないと思います)んで、英語(正確には、半角文字)で入力しておきます。 最後にSAVEボタンを押せば、Libraryの表示のされ方が変わっているはずです。
englishedシェイクスピアのものは、次の形式
2-2.雑誌にあったフォーマットを作成する
雑誌にあったフォーマットを作成するには、既にあるものを使いまわすのが簡単だと思います。Fileメニューから、Output Stylesを選んで、サブメニューの中から、Open Style Managerを選びます。その中から適当なものを選んで、名前(雑誌名)を付けて保存します。名前は1バイト文字で付けて下さい。2バイト文字だと、表示させるメニュー欄によっては文字化けを起こす場合があります。
保存したスタイルファイルを編集します。Reference Typeというところをクリックして出てきたメニューには、先に追加した日本語文献用のReference Typeがあります。これを選択すると、Reference Typeの先頭にチェックマークが入り、Reference Typeごとに文献のフォーマットが並んでいる欄の一番下に追加されます。その欄に、他のReference Typeを参照にしながら、フォーマットを書いていきます。そのときは、Insert Fieldをクリックして出てきたメニューの中から、必要なものを足していって下さい。欧文の論文用のスタイルファイルの場合は、既に登録されているReference Typeと同じように書いていけば良いはずです。和文の論文用のスタイルファイルの場合は、和文の著者名や題名のFieldを選んでフォーマットを書いていきます。こうして、1つの文献データで、英語用にも日本語用にも使い分けることができます。英語の文献と日本語の文献とで、フォーマットの書き方には本質的な差はありませんので、詳しいことは付属のマニュアルを参照して下さい。
3.日本語の参考文献が本文中でも日本語として引用されているように整形する方法
文献を本文で引用する際に生じうる代表的な形を左に示し、右側にはそうするための書き方を示します。Citation Prefix Markerを駆使しているだけで、ふたを開けてしまえば、なぁ〜〜んだ、という感じです(^^;)。なお、ここではCitation Prefix Markerは*であるとします。EndNoteのデフォルトは\ですが、この記号はLaTeXだと重要な意味を持ちますので私は変更しています。同じように変更しないと、動かないわけではありません。また、Tempoprary Citation Delimiterは[[、]]と二重の括弧を使っています。これは、EndNoteのデフォルトのように一重の括弧だと、日本語部分が誤ってTempoprary Citation Delimiterと認識されることがあったからです。
リファレンスのフォーマットが済んだ後の見え方 | 原稿での書き方 |
---|---|
堀川ほか (2002) では…… | 堀川ほか [[, 2002 #113]]では…… |
……である (堀川ほか, 2002) . | ……である [[堀川ほか, *, 2002 #113]] . |
……である (例えば,堀川ほか, 2002) . | ……である [[例えば,堀川ほか, *, 2002 #113]] . |
……である (浜田, 1987; 堀川ほか, 2002) . | ……である [[浜田, *, 1987 #320;堀川ほか, *, 2002 #113]] . |
4.ワープロごとの注意及び限界
- AppleWorks ver. 6.2.3
- 総評:○
- Microsoft Word 98
- 総評:×
日本語の文献があると、A COM Error has occurredと出て、一切リファレンスを作成しない。 - Microsoft Word 2001
- 総評:△
日本語の文献があると、A COM Error has occurredと出るが、とりあえずリファレンスは作成する。しかし、日本語の文献があると、その後の文献のフォーマットが崩れる。例えば、斜体になるはずの雑誌名が斜体にならなかったり、著者名に太字や斜体が混じったりする。但し、崩れた文献の修正は可能。
以上、かなりアクロバティックな(?)ことをしながら、何とか日本語を使えるようにしてきましたが、日本語向けのローカライズが放棄されているソフトですので、限界があります。以下、単なる羅列になりますが、気付いたことを上げます。
- 英文の文献と日本語の文献とをわけた形でリストを作れない
- 文献リストを作成する際、英語の文献と日本語の文献は別々にわけて、それぞれの中で、アルファベット順(日本語に関しては、あいうえお順?)に並べる雑誌を見たことがあります。ここでご紹介したやり方は、そのやり方には対応できません。
- 日本語の文献を二重登録せざるをえない
- 私の関係している分野では、組織名で報告などを書くことがままあり、これが厄介なのです。例えば、地質調査所という組織で出されているものを参考にするとき、日本語の場合は、Chishitsuchousazyoというローマ字で文献を並べることが多いと思います。ところが、英語の場合は、Geological Survey of Japanという名前で文献を並べますので、順番が違ってきます。ところが、 EndNoteはAuthor欄のアルファベット順しか考えてくれそうにないので、1つの登録だけで日英両方を賄おうとする企ては、ここで破綻します。
- 受け付けない2バイト文字がある
- 私が気付いた範囲では、"院"という文字が引用を示す括弧の中にあると、Scan Paperでその文献が引用されません。おそらくは、"院"という文字に割り当てられたSJISコードに絡んだ問題なのでしょうが、深くは追求していません。追求したところで、私の知識では解決できないからです。OS X上でUnicodeにすると、解決するのかもしれませんが、OS Xは使っていませんので、本当にうまくいくかどうかはわかりません。
- 和文の論文での著者の区切りに柔軟性が全くない
- 私の挙げた例では、中黒(・)を著者の区切りとして使いましたが、雑誌によっては、違っているかもしれません。そうだとしても、私のやり方では、EndNote内で閉じた形では対応できません。もっとも、これは、ワープロソフトやテキストエディタの一括置換機能を使って、ごっそりと入れ換えれば事足りるので、大した問題ではないかもしれませんが。
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